日々是好日

プログラミングについてのあれこれ、ムダ知識など

技術書典6の振り返りとかデザインとか

去る 4月26日 の技術書典 6 にて、

Visual Studio Code Extension Start Book」

という本を頒布しました。そのときの振り返りと新刊デザイン周りの記事です。

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当日の様子

設営はこんな感じです。

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前回はお手製ラックとかガチャガチャ作っていましたが、 今回は結構軽く作ってみました。

製本版の最後の1冊が売れたのが 13:20 ごろ、完売御礼でございました。

もし売り切れるなら14時ごろで、そのあとはダウンロードカード頒布に切り替えられればいいかな~と思っていたので、 個人的にはいいタイミングでした(ちょっと早いけど)。

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振り返りメモ

  • 全然触ったことなかった Node.js と TypeScript で本を書いた
  • あえて積極的な声掛け、呼び込みをしなかった
  • フリーソフトで表紙とダウンロードカード作って電子入稿してみた
  • 最終被チェック数 369 だった

私が今回積極的に声かけをしなかったのは、大多数の同人誌即売会に慣れてないであろう一般参加者が、 試し読み後に断りやすいようにです。*1

熱心に説明されるとなんとなく本を置いて立ち去りづらいもので、それをするにもけっこう勇気が要ります。 そのため、あくまで読んでもらって、ピンときたら買ってもらうようなスタンスで臨んでいました。

質問されたらめっちゃ喋りましたけど←

「積極的な声掛け」について、先日技術書典ハッシュタグを付けてつぶやいたところ、次のような反響がありました。

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まぁしさんや、

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技術書典6 伝説の新人王 Auth屋さん。

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他のマンガやイラスト、趣味全振りの同人誌即売会と比較して、技術書典の特異な部分は、 サークル主本人の「生業」から本が生えている部分だと思います。

そのため、どうしてもビジネス目線、「売る」という指向になるのは仕方ないと思います。 自分の大切な商売道具である「技術」をまとめたものですからね。

一方、参加者の大多数は技術を「買い」に来る意識だと思いますし、私はサークル主自身の考え方次第でいいと思ってます。 勝手に引用しちゃいますが、「他サークルの人の迷惑にならない程度に」楽しくやっていきましょう。

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デザインの話

さてさて、本題のデザイン環境とデザインの話です。

今回の新刊の表紙及びダウンロードカードは、案を Twitter に流したときから反応が良く、 私自身も結構気に入ってるものです。自画自賛イェーイ。

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デザイン環境

次のフリーソフトを用いて作画しました。

paint.net

表紙の作成に使用しました。 フリーのくせしてめちゃめちゃ高機能なペイントソフトです。

forest.watch.impress.co.jp

今回ねこのしっぽさんに電子入稿するにあたって、 ねこのしっぽさんの表紙用テンプレート を使用しました。

このテンプレートは psd 形式(フォトショップ)で配布されておりますが、 paint.net はプラグインを適用することで psd の編集・保存が可能になります。 導入の仕方はこのあたりを参考↓

loumo.jp

Inkscape

名刺サイズのダウンロードカードの作成に使用しました。 フリーのくせしてm(ry

inkscape.org

paint.net との違いは、基本的にベクター画像を作るためのソフトだという点です。

電子入稿は東京カラー印刷さんにお願いしました。 こちらにした主な理由は、PDF 形式で入稿できることです。

ベクター画像の作成でよく使われるのは Illustrator の ai 形式のファイル ですが、 残念ながら Inkscape では開くことは出来ても保存することができません。

また、Inkscape の通常の出力である Inkscape SVG ファイルでは、Illustrator で開いたときにレイアウト崩れが発生する恐れがあり、 迂闊に SVG で入稿することもままなりません。

そのため、Inkscape で編集可能な形式のテンプレートを頒布している」 かつ 「PDF 入稿に対応している」東京カラー印刷さんを選定しました。

あ、PDF 変換にあたって、フォントはちゃんとアウトライン化しましょうね。

CubePDF

前節の Inkscape で作られたベクター画像を PDF に出力するために導入しました。 普通に印刷するのと同じ感覚でできるので楽ちんです。

www.cube-soft.jp

CubePDF は出力時に解像度も決められるので、今回は 1200 dpi で出力していました。 1200 あれば PC 上で超拡大しても粗がほとんど見えなかったので、これくらいでいいんだと思います(適当)

配色の決定

配色アイデア手帖 をフル活用しました。

ベースカラーの選定

最初にベースカラーを決めます。 公式アイコンに用いられている色を使うために、Microsoft からアイコンをダウンロードしてきます。

www.microsoft.com

この公式アイコンの中からVisual Studio Team Services.pngを探し、 paint.net に表示させて青色の部分をスポイトしたところ、 カラーコードは#0065B2でした。

この青色をベースにして全体の配色を決定します。

配色アイデア手帖から全体の配色を決定

カラーコード#0065B2を基に、配色アイデア手帖から近い色を探してみます。

すると、「青と白の世界」のベースカラーの中に、非常に近い青色を発見したので このページの配色を選定しました。

今回の表紙に使った色は次のとおりです。

こんな感じで配色を決定しました。

デザインの決定

けっこうノリでデザインしたので、こだわったところは「ノンデザ本の4原則を守る」ことくらいですね。すみません( ˘ω˘)

4原則についてはノンデザイナーズ・デザインブックにて。

f:id:kcpoipoi:20190426171559p:plain:w300

右寄せ・左寄せ(整列・近接)

タイトルは右寄せ、キャプション(?)は左寄せにしてみました。 文字列はお互いに離れすぎないようにし、近接を意識しています。

キャプションは「Visual Studio ~」の V に合わせるようにそろえています。

フォント(反復)

欧文は Sulpher Point というパブリックドメインフリーフォントを使用しました。

Font Meme は日本語対応であり、使いたいフォントが Web ページ上で簡単にプレビューできるのでかなり使いやすいです。

サークル名の和文は、コミティアで購入したテゴミンを使用しました。 商用利用可、大変感謝です。。。

色(コントラスト)

先ほどの配色から色を置いていきました。

文字部分は目立たせたかったので、アクセントカラーで着色です。

おすすめの文献

実はすべて本屋の店頭で衝動買いです←

ノンデザイナーズ・デザインブック

一家に一冊ノンデザ本。これは本当に本当に役に立ちました。

巷にありがちな「ダメなデザイン例」と「改善したデザイン例」といった対比での説明だけではなく、

この原則を守れば勝手にいいデザインになるから!!

という著者のメッセージが随所にちりばめられています。

伝わるデザインの基本

デザインの理論的な部分はノンデザ本と被りますが、 こちらは日本人が書いているだけあって和文フォントの例が多くなっています。

コチラも押さえておきたいところ。

配色アイデア手帖

見開き2ページでカラーパレットと色のイメージ、デザイン案がまとまっているのでもう本当に無駄がない。

印刷時の色味とかもあるので、絶対製本版を買った方がいいです。

今回の新刊では VSCode アイコンの青をベースにしたかったので、 アイコンからスポイトしたカラーコードから近い色を選んで色合いを選定しました。

これから何する?

  • 転職活動の再開
  • Firebase を利用した Android アプリ製作

2月中旬頃から執筆でそれどころじゃなかったのですが、 いったん落ち着いたので転職活動再開します。希望職種は Android エンジニア。

また、サーバサイドをいじったことが無かったので、Firebase を利用してなんか作ってみます。

まとめなど

  • 他の参加者のスタンスを尊重して頒布しよう
  • フリーソフトでも意外といける
  • ノンデザ本はいいぞ

まとめでいつも力尽きる……

*1:遠巻きに見ている人に「試し読みありますよ~」程度はしました。ほぼ確実に読んでくれます